このページでは、相続分の放棄についてまとめています。
相続分の放棄は、相続放棄とは異なる概念です。相続放棄は相続人の地位を失いますが、相続分の放棄は相続人の地位を失わないのが、ポイントです。
相続放棄については、以下のリンク先をご参照ください。

相続放棄と似て非なる概念として、相続分の放棄という概念があります。

相続分の放棄とは、相続財産のうち積極財産(=プラスの財産)についてのみ放棄するもので、負債(=マイナスの財産)についての責任を免れないものといいます。

相続放棄との差異は以下のとおりです。

比較項目 相続放棄    相続分の放棄      
時期や方法自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、家庭裁判所に申述をする必要があります(民法938条遺産分割までの間であればいつでも可能です。また、方式は問いません。
相続人の地位失う失わない
相続債務負担を免れる負担を免れない
他の相続人らの相続分放棄した者は、最初から相続人にならなかったものとして他の相続人の相続分が計算されます。放棄した者の相続分は、他の相続人に相続分に応じて帰属する考え方が有力です。